雑記

漢方との出会い

 私が漢方に興味を持ったのはもう8年前のことです。当時は岐阜薬科大学の大学院で薬理学の研究をしていました。私の研究内容は簡単に説明すると、天然由来の成分でアレルギーに効くものを探すといったものでした。そこで漢方薬の原料となる生薬をマウスに与えて実験を行っていました。そこで、とある生薬がびっくりするぐらいにマウスのアレルギー反応を抑えたんです。現在、医療の現場で使われているアレルギーの薬よりも効果があったことに当時の私は衝撃を受けました。

 それまでは漢方薬について、「効果は高くないけど、副作用が少なく安全で使いやすい薬」といったイメージを持っていました。しかし、漢方は安全かつとってもよく効くんです。それ以来、私は漢方の勉強を始めました。

 漢方の考え方はこれまで私が学んできた西洋の医学とはまったく理屈が異なり新鮮で面白く、漢方ってなんて素晴らしいのだろうと思ったものの、知識が増えればさらに疑問も増え、深く潜るほどに謎が深まる。まるでそれは底なし沼のようでした。(続く)

 

持ち運び用の小型の百味箪笥  薬師はこれに生薬を入れ往診に用いた

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