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雑記

「人体 神秘の巨大ネットワーク」

年始にNHKスペシャルで「人体 神秘の巨大ネットワーク」が再放送していて、

思わず最後まで観てしまいました。

私のような医療系の人間でも面白く感じる良質な番組でした。

というのも、健康・医療系のテレビ番組の大半がまとめに検証されていないことを画期的な発見のような演出をしたり、

ごく一部の人の意見をあたかも新真実のような表現をしたりするのが気にくわず普段はあまり見たりすることはありません。

ましてや漢方の話なんて医師会やらツ〇ラとかの製薬会社の利権の見え隠れするようで胸糞悪くなる番組ばかりです。

その点、このNHKの番組は純粋に科学していましたし、

複雑でわかりにくい人体のしくみをCGでわかりやすく解説されていました。

受信料払っている甲斐があるってものです。

 

話の主体はそれぞれの臓器が密接に絡み合い健康を維持しているということでした。

腸が免疫にかかわっていたり、

腎臓が老化に関連していたりすることなどが紹介されていました。

これらのそれぞれの臓器のネットワークは医療の現場で注目されるようになってきています。

 

科学というのは仮説と実証を繰り返す学問です。

そのため複雑な要因を結びつけ実証することは手間と時間がかかって大変です。

例えば100種類の薬品の合わせた効果を調べようとすると、

1種類だけの効果を調べるよりも単純に計算して100倍のコストがかかります。

これまでの医療の研究に関わってきた研究者の努力によって、

やっとその臓器ネットワークの実態が解明されつつあるのですね。

 

この臓器ネットワークというのは漢方の世界では以前から知られていました。

たとえば、腸と免疫、腎臓と老化の他にも、肺と皮膚には結びつきがあることや、

腎には生殖機能や骨と結びつきがあることなどは漢方の世界では常識となっています。 

これはこれまでの漢方の歴史の中で、

腎が悪い人は老けやすい、

長寿の人は腎が強い、

といった臨床経験として積み上げられてきたものです。

それらが少しずつ科学で証明されてきているのですね。

 

昔は「喘息の治療に腸を元気にする必要がある」と言ったら西洋医に笑われ、

オカルトや宗教のような扱いされたことでしょう。

 西洋医学は科学しか信じません。

「なんやわからんけど、こうしておけば良くなる」

といった漢方の臨床経験に基づく治療法は決して受け入れてもらえることはありません。

科学の進歩により西洋医学と漢方がもっと歩み寄れるとさらに医療は発展するのではないかと思います。

 

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