枇杷の葉は漢方でも使われる生薬です。
今回は枇杷の葉の歴史と少し変わった使われ方を紹介します。
枇杷について
ビワは中国の揚子江沿岸を原産とするバラ科の常緑高木であり、
ビワの名は葉の形が楽器の琵琶に似ていることに由来するといわれ、
日本には9世紀前後に渡来したと推定されています。
江戸中期には農村でも果樹として栽培されるようになり、
幕末には清国から大きな実のなるビワが長崎に伝えられてから全国に普及しました。
枇杷葉の他に、莪朮、木香、呉茱萸、桂皮、甘草などを加えた「枇杷葉湯」が
江戸時代から明治にかけて暑気払いの妙薬として有名になり、
街頭で売り歩く声は夏の風物詩の一つとなっていました。
(参考:漢方のくすりの辞典 医歯薬出版)
枇杷葉(びわよう)
バラ科常緑高木、ビワの葉を用いる。
葉の裏には絨毛があり、煎じで用いると濁り、
咽喉にも刺激があるので、ブラシなどで除去して用いる。
ビワの葉から蒸留して得られた液を枇杷葉露という。
効能
①鎮咳、制吐作用:咳や痰、鼻血、嘔吐などに用いる。
②抗炎症、抗菌作用:食中毒や下痢に用いる。
枇杷葉を含む漢方薬
辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)、甘露飲(かんろいん)
枇杷の葉の変わった使い方
枇杷の葉療法
静岡県の臨済宗のお寺、
金地院(こんちいん)の住職河野大圭(こうのたいけい)禅師の行った療法で
難病に苦しむ患者を20万人救ったと言われている。
緑の濃い厚手の生葉の光沢のある表面を焦げない程度に火であぶり、
2枚合わせて両手で10回ほど擦り合わせ、
これを1枚ずつ両手に持って熱いうちに皮膚に直接密着させ、押し揉むようにして撫でます。
撫でる場所はまず腹部を6~7分、丹田とみぞおちを入念に行い、
その後、背、肩、腰、尻まで全部で10分程度行います。最後に局所に行います。
びわの葉温灸
びわの生葉に棒もぐさを使用する温灸法で、一般に大変よく普及しています。
栃木県真岡市の長蓮寺が発祥の地と言われ、
現在はそのお寺出身の濱田峯瑞(はまだずいほう)先生や
自然療法研究家の神谷富雄先生が普及しています。
びわの葉を局所やツボに当て、その上に棒もぐさを立てて温灸します。
① びわの葉のアミグダリンなどの影響
② 棒もぐさによる温灸作用
③ 棒もぐさの押圧による指圧効果
などがあるとされています。
(びわの葉療法健康会HPより)
実は奈良漢方薬局の前身、
黒田漢方薬局の時にこの濱田峯瑞先生に来てもらい
びわの葉温灸の施術のセミナーを開いていたことがあったそうです。
私も是非、参加したかったですね。
びわの葉温灸のセットは奈良漢方薬局で販売しております。
もしご興味がある方はご相談ください。
ではでは。
コメント