こんにちわ。
奈良漢方薬局です。
最近は天候が不安定で、
昼夜の気温変化も大きく、
さらに台風がきたりと体調を崩された方が多いようです。
漢方は、
よく慢性疾患が専門で、
長く飲んでゆっくり効くと勘違いされます。
しかし、漢方は風邪にもよく効きます。
これがなかなか認知されてないようで、
一度試してもらったら信じてもらえるのにな~と思ったりします。
今日は、少し具体的な例を紹介します。
先日みえた、親子のお客様のお話です。
お母さんは以前から奈良漢方薬局で漢方相談をされており、
いつもの相談ついでに風邪をひいたとみたいということで、
いつもの漢方薬の他に、
風邪の漢方薬を調合しました。
喉の奥の痛み、熱っぽさ、だるさがあり、
寒気は感じず、汗は出ないということでした。
症状を聞くに、
銀翹散(ぎんぎょうさん)のような気がしましたが、
風邪をひいた状況から、
身体を冷やしたことが原因のように思えました。
そのため、身体を温める方向の漢方薬がいいだろうなと。
銀翹散は身体を冷やす方向の漢方薬です。
今回は「柴胡桂枝湯」と「桔梗石膏」を使用しました。
ちなみに柴胡桂枝湯の効能にはこのように書かれています。
「多くは腹痛を伴う胃腸炎,微熱・寒気・頭痛・はきけなどのある感冒,風邪の後期の症状」
なかなか、この説明文で今回の症状に合うとは思えないですね。
我々、漢方の専門家は漢方薬を考えるときに、
漢方薬の構成から考えます。
柴胡桂枝湯は「小柴胡湯」と「桂枝湯」の合わさったようなものです。
小柴胡湯の特徴で、舌微白苔、半表半裏とか考えたりしています。
いずれ、この話が詳しくしたいです。
翌日に連絡があり、
とても良く効いたそうです。
そして息子さんも風邪をひいたとのことで、
息子さんの漢方相談も受けました。
38.6℃の発熱、のどの痛み、寒気があり、汗出ない。
漢方に詳しい人は一番に葛根湯が思い浮かんだんじゃないでしょうか。
ただ、葛根湯は急に出る高熱にはあまり使いにくいんですよね。
葛根湯は風邪の初期に使います。
この初期というのは、風邪が身体の奥深くまで進行していない状態をさします。
一気に高熱が出る場合は、
もはや風邪の初期ではありません。
もう風邪が身体の奥に入り込んでいる状態になります。
今回は「柴葛解肌湯(さいけつできとう)」を使いました。
これは「葛根湯」と「小柴胡湯」「桔梗石膏」をまぜたような漢方薬です。
急な発熱が特徴のインフルエンザにも良く効く漢方薬です。
この場合も、
漢方薬を飲んですぐに良くなって、次の日には元気に学校に行けたとのことでした。
では、本日はこの辺で。
体調管理にはお気をつけください。
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